17日前
ウィルソン=コーアンモデルによるメタポピュレーションにおける学習
Raffaele Marino, Lorenzo Buffoni, Lorenzo Chicchi, Francesca Di Patti, Diego Febbe, Lorenzo Giambagli, Duccio Fanelli

要約
メタ集団(metapopulation)を扱うウィルソン=コーアンモデル(Wilson-Cowan model)は、神経質量ネットワークモデル(Neural Mass Network Model)の一例であり、脳の異なる準皮質領域を相互に接続されたノードとして扱い、これらの領域間の構造的、機能的、または有効な神経回路的結合を接続として表現する。各領域は、標準的なウィルソン=コーアンモデルに従って、興奮性細胞と抑制性細胞の相互作用する集団で構成されている。このメタ集団モデルのダイナミクスに安定なアトラクターを組み込むことで、高精度な画像およびテキスト分類が可能な学習アルゴリズムへと変換できる。本モデルは、MNISTおよびFashion MNISTデータセットに対して畳み込みニューラルネットワーク(CNN)と組み合わせて評価し、CIFAR-10およびTF-FLOWERSデータセットではCNNと併用、IMDBデータセットではTransformerアーキテクチャ(BERT)と組み合わせて検証した結果、いずれの場合にも高い分類精度を示した。これらの数値的評価から、メタ集団用ウィルソン=コーアンモデルに最小限の修正を加えるだけで、従来観察されていなかった特異な動的挙動が明らかになることが示された。