AG-ReID.v2:人物再識別における航空視点と地上視点の橋渡し

空中・地上間の人物再識別(Aerial-ground Person Re-Identification, Re-ID)は、高高度からの空中カメラと地上設置の監視カメラとの間で生じる視点、姿勢、解像度の顕著な違いに起因する、コンピュータビジョンにおける特有の課題を有している。従来の研究は主に地上間のマッチングに注力しており、空中カメラにおけるマッチングは、包括的なデータセットの不足により十分に検討されていない。こうした課題に対処するため、本研究では空中・地上の混合環境下における人物Re-IDを目的として、AG-ReID.v2という新規データセットを提案する。本データセットは、1,615人の個体を対象に、合計100,502枚の画像を収集し、各画像にはマッチングIDと15種類のソフト属性ラベルが付与されている。データは無人航空機(UAV)、固定式CCTV、スマートグラス搭載カメラを用いて多様な視点から収集されており、同一人物の内部変動(intra-identity variations)を豊富に含んでいる。さらに、本データセットに特化した解釈可能な注意機構(explainable attention network)を設計した。このネットワークは、ペアワイズ画像間距離を効率的に処理する三ストリームアーキテクチャを採用し、上から下への特徴量の強調と、高度差に起因する外見の変化への適応性を実現している。定量的評価により、既存のベースライン手法と比較して本手法の優位性が確認された。本研究では、データセットおよびアルゴリズムのソースコードを公開する予定であり、この専門分野におけるコンピュータビジョン研究の発展を目的としている。アクセスは以下のURLから行える:https://github.com/huynguyen792/AG-ReID.v2。