15日前

全スライド画像からバイオマーカー予測へ:計算病理学におけるエンドツーエンドディープラーニングのためのプロトコル

Omar S. M. El Nahhas, Marko van Treeck, Georg Wölflein, Michaela Unger, Marta Ligero, Tim Lenz, Sophia J. Wagner, Katherine J. Hewitt, Firas Khader, Sebastian Foersch, Daniel Truhn, Jakob Nikolas Kather
全スライド画像からバイオマーカー予測へ:計算病理学におけるエンドツーエンドディープラーニングのためのプロトコル
要約

ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)染色による全スライド画像(WSI)は、がんの診断の基盤となっている。近年、計算病理学における深層学習ベースの手法の発展により、WSIから直接バイオマーカーを予測することが可能になった。しかし、大規模なスケールで組織表現型とバイオマーカーを正確に結びつけることは、精密腫瘍学における複雑なバイオマーカーを一般化(民主化)する上で依然として重要な課題である。本プロトコルでは、固体腫瘍の関連モデリング(STAMP)を実用的なワークフローとして提示し、深層学習を用いてWSIから直接バイオマーカーを予測することを可能にする。STAMPワークフローはバイオマーカーに依存せず、遺伝子情報および臨床病理学的テーブルデータを追加入力として、組織病理学画像と併せて利用できる。本プロトコルは、以下の5つの主要ステージから構成されており、すでに多様な研究課題に成功裏に適用されている:問題の明確化、データ前処理、モデリング、評価、臨床応用への移行。STAMPワークフローの特徴は、臨床医とエンジニア双方が共同で計算病理学分野における研究プロジェクトを構築できる協働フレームワークとしての役割に焦点を当てている点である。具体的な応用例として、大腸癌における微小反復領域不安定性(MSI)状態の予測にSTAMPを適用した結果、MSIハイ(MSI-high)腫瘍の正確な同定が可能であることが示された。さらに、世界中の複数の病院で導入されているオープンソースのコードベースを提供しており、計算病理学ワークフローの構築を支援している。STAMPワークフローの実行には、手作業による計算処理に1日程度の時間と、基本的なコマンドライン操作の知識が求められる。

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