
要約
ノード分類はグラフ解析における最も注目されているタスクの一つである。既存の研究では、有向グラフおよび無向グラフにおけるさまざまなノード表現が検討されてきたが、それらの表現がグラフの情報を捉える能力に差があることには十分な注目が寄せられていない。この限界を克服するため、本研究では、入力グラフにおけるノード表現の組み合わせ(集約特徴 vs. 隣接リスト)とエッジの方向性を意識する能力(有向 vs. 無向)の様々な組み合わせを検討した。我々は、ノード表現とエッジ方向性認識のいずれかの組み合わせを利用するさまざまなGNN(グラフニューラルネットワーク)の性能をベンチマークする、初めての実証的研究を実施した。実験の結果、どのデータセットにおいても一貫して最先端の性能を達成する単一の組み合わせは存在しないことが明らかになった。これは、データセットの特性に応じて適切な組み合わせを選定する必要があることを示している。これに対応して、我々は有向および無向グラフにおけるノード表現のすべての組み合わせを活用する、シンプルでありながら包括的な分類手法A2DUGを提案する。実証により、A2DUGがさまざまなデータセットにおいて安定した優れた性能を発揮し、最先端手法と比較して精度を最大11.29ポイント向上させることを示した。新たな手法の開発を促進するため、本研究の完全なコードベースをMITライセンスのもとで公開する。