17日前
疎で不規則な点群に対する意味セグメンテーションによる葉/木材の識別
Yuchen Bai, Jean-Baptiste Durand, Grégoire Vincent, Florence Forbes

要約
LiDAR(Light Detection and Ranging)は、生物圏モニタリングに用いられるリモートセンシング技術の重要な構成要素として定着している。特に、LiDARは森林の葉面積を従来にない精度でマッピングする可能性を提供しており、葉面積は植被と大気間のガス交換モデルに影響を与える重要な不確実性要因の一つである。無人航空機(UAV)は容易に移動・運用可能であるため、気候変動に対する植被応答を頻繁に追跡することができる。しかし、UAVに搭載される小型センサーは通常、密度が限られた点群データを生成する。さらに、冠層上部から下部にかけて段階的に強まる遮蔽(オクルージョン)の影響により、点群密度が著しく低下するという課題がある。このような状況下では、葉点と木材点を識別することは、特にクラスの不均衡が顕著であり、空間的サンプリング密度が不均一であるため、大きな課題となる。本研究では、点群の幾何構造のみを用いる(スペクトル情報は一切使用しない)PointNet++アーキテクチャに基づくニューラルネットワークモデルを提案する。局所的なデータの疎らさに対処するため、局所的な重要な幾何情報の保持を重視した革新的なサンプリング手法を提案するとともに、重度のクラス不均衡に対応可能な損失関数の設計も行った。実験結果から、本モデルがUAV点群データにおいて、既存の最先端手法を上回る性能を示したことを明らかにした。今後の課題として、冠層下部から取得された極めて高密度の点群データを活用したモデルの改善についても議論する。