
要約
既存の画像異常検出手法は優れた結果を示しているものの、大部分が過剰なデータ前収集を要するオフライン学習の枠組みに依拠しており、オンラインストリーミングデータを扱う産業現場における適応性に制限がある。一方、オンライン学習に基づく画像異常検出手法は産業現場のオンラインストリーミングデータとより整合性が高いために適しているが、これまでほとんど注目されてこなかった。本稿では、初めて完全なオンライン学習に基づく画像異常検出手法であるLeMO(Learning Memory for Online image anomaly detection)を提案する。LeMOは直交ランダムノイズで初期化された学習可能なメモリを活用することで、メモリ初期化に大量のデータを必要とせず、オフラインデータ収集の非効率性を回避する。さらに、異常検出に向けたコントラスト学習に基づく損失関数を設計し、メモリと画像ターゲット指向特徴のオンライン同時最適化を可能にした。提案手法は構成が単純でありながら高い有効性を示す。広範な実験により、LeMOがオンライン設定において優れた性能を発揮することが実証された。また、オフライン設定においても、現在の最先端手法と競合可能な性能を達成し、少数サンプル(few-shot)環境下でも優れた結果を示している。