2ヶ月前
エッジの方向性が異質グラフでの学習を改善する
Emanuele Rossi; Bertrand Charpentier; Francesco Di Giovanni; Fabrizio Frasca; Stephan Günnemann; Michael Bronstein

要約
グラフニューラルネットワーク(GNN)は、関係データのモデリングにおいて事実上の標準ツールとなっています。しかし、現実世界の多くのグラフが有向であるにもかかわらず、今日の大多数のGNNモデルは単にグラフを無向化することでこの情報を完全に無視しています。その理由は歴史的なものであり、1) 早期のスペクトルGNNの多くのバリエーションが明示的に無向グラフを必要としたこと、2) 同質性グラフにおける最初のベンチマークでは方向性を使用することによる有意な利点が見つからなかったことが挙げられます。本論文では、異質性設定においてグラフを有向と扱うことでグラフの効果的な同質性が向上し、方向性情報の適切な使用により潜在的な利点があることを示します。この目的のために、我々はディレクテッド・グラフニューラルネットワーク(Dir-GNN)という新しい深層学習フレームワークを導入します。Dir-GNNは、任意のメッセージパッシングニューラルネットワーク(MPNN)を拡張して、入力辺と出力辺を別々に集約することにより辺の方向性情報を考慮することができます。我々はDir-GNNが有向ヴァイフェィラー・レーマンテストと同等の表現力を有することを証明し、従来のMPNNよりも優れていることを示しました。広範囲にわたる実験を通じて、我々のフレームワークは同質性データセットでの性能には変化がない一方で、GCN、GAT、GraphSageなどのベースモデルに対して異質性ベンチマークで大幅な改善をもたらすことを検証しました。さらに複雑な手法よりも優れた結果を出し、新たな最先端の成果を達成しています。