17日前

低照度画像強調のためのピラミッド拡散モデル

Dewei Zhou, Zongxin Yang, Yi Yang
低照度画像強調のためのピラミッド拡散モデル
要約

低照度画像からのノイズを含む詳細な情報を回復することは困難であり、従来の手法による結果にも改善の余地がある。近年の拡散モデル(diffusion models)は、繰り返しのノイズ除去による精緻な画像生成を実現しており、低照度画像の増強においてリアルな細部を回復するための応用を促進している。しかし、本研究ではこのアプローチを適用する上で2つの問題を発見した。第一に、拡散モデルは逆過程(reverse process)において解像度を一定に保つため、処理速度に制限が生じる。第二に、逆過程で全体的な劣化(例:RGBシフト)が発生することがある。これらの問題に対処するため、本論文では低照度画像増強を目的とした「ピラミッド拡散モデル(Pyramid Diffusion model, PyDiff)」を提案する。PyDiffは、新たなピラミッド型拡散手法を採用し、逆過程において解像度を段階的に増加させる(ピラミッド解像度スタイルでのサンプリング)ことで、従来の拡散モデルよりも大幅に高速化しつつ、性能の低下を引き起こさない。さらに、逆過程における全体的劣化を軽減するためのグローバル補正器(global corrector)を導入することで、性能を顕著に向上させ、追加の計算負荷をほとんど増加させることなく、拡散モデルの学習をより容易にする。主要なベンチマークにおける広範な実験結果から、PyDiffが優れた性能と効率性を実現することが示された。また、未知のノイズ分布や照明条件にも良好な汎化性能を示すことが確認された。