
要約
自動運転およびドライバー補助システムにおいて、車線マーカ検出は重要な構成要素である。近年の行ベースの車線表現を用いた深層学習による車線検出手法は、車線検出ベンチマークにおいて優れた性能を発揮している。本研究では、初期のオラクル実験を通じて、車線表現の各要素を分解し、アプローチの方向性を明確にした。その結果、既存の行ベース検出器の予測結果の中には正しい車線位置がすでに含まれており、真値との交差率(IoU)を正確に反映する信頼度スコアが最も有益であることが明らかになった。この知見に基づき、局所的な車線角度を考慮することで、評価指標とより良好な相関を示す新たな指標「LaneIoU」を提案する。さらに、目標割り当てのコスト関数および損失関数にLaneIoUを採用した新しい検出器「CLRerNet」を構築し、信頼度スコアの品質を向上させることを目的とした。慎重かつ公正なベンチマーク評価(交差検証を含む)の結果、CLRerNetは最先端手法を大きく上回ることを実証した。CULaneデータセットではF1スコア81.43%(既存手法:80.47%)、CurveLanesデータセットでは86.47%(既存手法:86.10%)を達成した。