方向性微小物体検出のための動的コアス・トゥ・ファイン学習

任意の方向をもつ微小物体の検出は、従来の検出器にとって極めて困難な課題であり、特にラベル割当において顕著な課題を呈する。近年の回転物体検出器において、適応的ラベル割当の探索が行われているものの、回転微小物体が示す極端な幾何形状および限られた特徴情報により、依然として深刻な不一致(mismatch)と不均衡(imbalance)問題が生じている。具体的には、位置に関する事前知識(position prior)、ポジティブサンプルの特徴、およびオブジェクトの実体の間で不整合が生じ、適切な特徴の監視が不足しているため、極端な形状を持つ物体の学習が偏り、不均衡となる。こうした問題に対処するため、本研究では「動的事前知識(dynamic prior)」と「粗いから細かいまでの割当戦略(coarse-to-fine assigner)」を組み合わせた新しいアプローチ、DCFL(Dynamic Coarse-to-Fine Labeling)を提案する。第一に、事前知識、ラベル割当、オブジェクト表現をすべて動的にモデル化することで、不一致問題を軽減する。第二に、粗い事前マッチングとより細かい事後制約を用いてラベルを動的に割当することで、多様なオブジェクトに対して適切かつ比較的バランスの取れた監視信号を提供する。6つのデータセットにおける広範な実験結果から、ベースラインに対して顕著な性能向上が確認された。特に、単一スケールの学習・テスト条件下で、DOTA-v1.5、DOTA-v2.0、DIOR-Rの各データセットにおいて、1段階型検出器として最先端の性能を達成した。コードは以下のGitHubリポジトリにて公開されている:https://github.com/Chasel-Tsui/mmrotate-dcfl。