2ヶ月前
VAD: ベクトル化されたシーン表現による効率的な自動運転
Jiang, Bo ; Chen, Shaoyu ; Xu, Qing ; Liao, Bencheng ; Chen, Jiajie ; Zhou, Helong ; Zhang, Qian ; Liu, Wenyu ; Huang, Chang ; Wang, Xinggang

要約
自動運転には周囲環境の包括的な理解が不可欠であり、信頼性のある軌道計画を実現するためには特に重要です。従来の研究では、計画を行うために密集したラスタライズされたシーン表現(例:エージェント占有と意味地図)に依存していましたが、これは計算負荷が高く、個体レベルの構造情報を見逃す傾向があります。本論文では、VAD(Vectorized Autonomous Driving)と呼ばれる自動運転のエンドツーエンドベクトル化パラダイムを提案します。このパラダイムは、ドライビングシーンを完全なベクトル表現としてモデル化します。提案されたベクトル化パラダイムには2つの重要な利点があります。一方で、VADはベクトル化されたエージェントの動きとマップ要素を明示的な個体レベルの計画制約として利用し、これにより計画の安全性が大幅に向上します。他方で、VADは計算負荷の高いラスタライズ表現や手動設計された後処理ステップを排除することで、以前のエンドツーエンド計画手法よりも大幅に高速に動作します。VADはnuScenesデータセットにおいて最先端のエンドツーエンド計画性能を達成しており、以前の最良手法を大きく上回っています。ベースモデルであるVAD-Baseは平均衝突率を29.0%大幅に削減し、2.5倍速く動作します。さらに、軽量版であるVAD-Tinyは推論速度を最大9.3倍向上させつつも同等の計画性能を達成しています。私たちは、VADの優れた性能と高い効率性が自動運転システムの実世界展開にとって極めて重要であると考えています。コードとモデルはhttps://github.com/hustvl/VAD で公開されており、今後の研究を促進するために利用できます。