13日前

複数の事前学習モデルを活用した分布外検出の性能向上

Feng Xue, Zi He, Chuanlong Xie, Falong Tan, Zhenguo Li
複数の事前学習モデルを活用した分布外検出の性能向上
要約

分布外(Out-of-Distribution, OOD)検出とは、入力が学習時に使用された分布とは異なる新たな分布から抽出されたものかどうかを識別するという、オープンワールドにおける機械学習システムの安全な導入に不可欠なタスクである。近年、事前学習モデルを活用した後処理型検出手法が優れた性能を示しており、大規模な問題にスケーラブルであることも明らかになった。この進展から自然に浮かび上がる問いは、「複数の事前学習モデルが持つ多様性を活用することで、後処理型検出手法の性能を向上させることは可能か?」である。本研究では、多様な事前学習モデルの「モデル・ズー(zoo)」から得られる複数の検出判断をアンサンブル化する検出強化手法を提案する。本手法は、従来よく用いられるハードな閾値ではなく、p値を用いることで、分布内(In-Distribution, ID)データに対する真正陽性率(true positive rate)を、多重仮説検定の基本枠組みに基づいて制御する。本研究では、モデル・ズーの活用に焦点を当て、さまざまなOOD検出ベンチマーク上で、現在の最先端手法と体系的な実証比較を実施した。提案手法は単一モデル検出器と比較して一貫した性能向上を示し、既存の競合手法を顕著に上回った。特にCIFAR10およびImageNetベンチマークにおいて、相対的な性能向上率はそれぞれ65.40%および26.96%に達した。