
要約
本稿では、画像分類におけるノイズラベル問題に対処するため、新たな「アドバイザー・ネットワーク(advisor network)」の概念を提案した。深層ニューラルネットワーク(DNN)は、ノイズを含むラベル付き学習データ上で性能の低下や過学習を引き起こしやすい。従来の損失重み付け手法は、学習過程におけるノイズラベルの影響を軽減することを目的としており、ノイズラベルの貢献を完全に排除する。しかしながら、この排除プロセスは、画像と正しいラベルとの間の誤った関連性を学習するリスクを回避する一方で、特に多数のサンプルがノイズラベルを持つ場合に、利用可能なデータ量が著しく減少するという問題を引き起こす。これに対して、本手法は各データの損失値を変更せずに、分類器から直接抽出された特徴量に対して重み付けを行う。アドバイザー・ネットワークは、誤ラベル付きサンプルに含まれる情報の一部に注目させることで、分類器がそのデータを有効に活用できるように支援する。さらに、メインモデルの学習全体にわたって適応できるように、メタ学習戦略を用いてアドバイザーを訓練した。本手法は、合成ノイズを含むCIFAR10およびCIFAR100、および現実世界のノイズを含むClothing1Mのデータセット上で評価され、最先端の性能を達成した。