17日前
生成モデルにおけるフロー・マッチング
Yaron Lipman, Ricky T. Q. Chen, Heli Ben-Hamu, Maximilian Nickel, Matt Le

要約
生成モデルの新たな枠組みを、連続的正規化フロー(Continuous Normalizing Flows: CNF)に基づいて提案する。本手法により、CNFの訓練をこれまでにない規模で実現可能となる。具体的には、固定された条件付き確率経路のベクトル場を回帰するという、シミュレーションを必要としないアプローチとして「フロー・マッチング(Flow Matching: FM)」を導入する。FMは、ノイズとデータサンプル間の変換に用いられる一般化されたガウス確率経路の族と互換性を持ち、既存の拡散経路(diffusion paths)を特定の例として包含する。興味深いことに、拡散経路を用いたFMは、拡散モデルの訓練においてよりロバストで安定した代替手段となることが明らかになった。さらに、FMは拡散以外の確率経路を用いたCNFの訓練を可能にする。特に注目すべき例として、最適輸送(Optimal Transport: OT)に基づく変位補間(displacement interpolation)を用いて条件付き確率経路を定義する方法がある。この経路は拡散経路に比べてより効率的であり、訓練およびサンプリングの速度が向上し、一般化性能も優れる。ImageNet上でFMを用いたCNFの訓練は、尤度およびサンプル品質の両面で、他の拡散ベース手法と比較して一貫して優れた性能を発揮し、汎用的な数値ODEソルバーを用いて高速かつ信頼性の高いサンプル生成が可能となる。