
要約
歩行認識は、各身体部位の異なる周期的な動きを観察することで、個人特有の歩行パターンを識別することを目指しています。しかし、既存の方法の多くは各部位を同等に扱い、歩行シーケンスの異なる歩幅頻度とサンプリングレートによって引き起こされるデータ冗長性を考慮していません。本研究では、歩行シーケンス学習用の多粒度運動表現ネットワーク(GaitMM)を提案します。GaitMMにおいては、全身と細かい粒度のシーケンス学習モジュール(FFSL)を設計し、部位に依存しない空間時間表現を探求します。さらに、フレーム単位での圧縮戦略である多尺度運動集約(MSMA)を利用し、歩行シーケンス内の差別的情報を捉えます。CASIA-BおよびOUMVLPという2つの公開データセットにおける実験結果から、当手法が最先端の性能に達していることが示されました。