
要約
順次推薦システムは、ユーザーの関心の変化(interest drift)を捉えることで、効果的な推薦を実現している。既存の順次モデルは、主にユーザー中心型(user-centric)とアイテム中心型(item-centric)の2つのグループに分類される。ユーザー中心型モデルは、各ユーザーの順次的な消費履歴に基づいて、個別化された関心の変化を捉えるが、ユーザーのアイテムに対する関心が学習期間を過ぎても持続するかどうか、すなわち「関心の持続性(interest sustainability)」については明示的に考慮していない。一方、アイテム中心型モデルは、ユーザーの一般的な関心が学習期間を過ぎても持続するかを考慮するが、個別化は行われない。本研究では、これらの2つのモデル群の利点を活かした推薦システムを提案する。提案モデルは、各ユーザーがアイテムに対して持つ関心が学習期間を越えて持続するかどうかを、個別化された形で捉える「個別化された関心の持続性」を実現する。まず、ユーザーの消費履歴に基づいて、学習期間の最近の期間に各ユーザーがどのアイテムを消費するかを予測するタスクを定式化する。その後、ユーザーの疎な消費履歴を補強するシンプルながら有効な手法を提案する。広範な実験により、提案モデルは11の実世界データセットにおいて、10のベースラインモデルを上回る性能を示した。コードは以下のURLで公開されている:https://github.com/dmhyun/PERIS。