
教師検出器によって生成された未ラベル付オブジェクトの擬似ラベル(例:カテゴリおよびバウンディングボックス)を活用することは、近年の半教師付き物体検出(SSOD)における進展の基盤となっている。しかしながら、ラベルが限られているため教師検出器の汎化能力に制限があり、生成された擬似ラベルは真のラベルからずれがちである。特に分類信頼度が低いものについてはその傾向が顕著であり、これがSSODの汎化性能を制限している。この問題を軽減するために、本研究ではSSOD向けの二重擬似ラベル精練フレームワークを提案する。教師検出器が生成する擬似ラベルを直接利用するのではなく、二重精練学習を用いてそれらの真のラベルからのずれを低減するという、新たなアプローチを採用している。具体的には、与えられたラベル付きオブジェクトに対して、合成されたペア化された擬似ラベルと対応する真のラベルを用いて、カテゴリとバウンディングボックスそれぞれについて異なる構造を持つ二つの精練ネットワークを精密に設計・訓練する。この手法により、初期に生成された擬似ラベルに基づき、両精練ネットワークはオブジェクトの文脈知識を十分に活用して、未ラベル付オブジェクトに対するより正確な擬似ラベルを推定できる。その結果、SSODの汎化性能が向上する。さらに、このアーキテクチャは既存のSSODフレームワークにシームレスに統合可能であり、共同エンドツーエンド学習が可能である。また、未ラベル付オブジェクトの精練済み擬似カテゴリとバウンディングボックスを分離して、それぞれを独立して分類およびバウンディングボックス回帰に用いる手法を提案する。これにより、モデル学習中により多くの未ラベル付オブジェクトを活用可能となり、性能のさらなる向上が実現される。PASCAL VOCおよびMS COCOの両ベンチマーク上での実験により、提案手法が既存の最先端手法を上回る優位性を示した。