
異常検出は、正規の訓練データに対する生成モデルを構築するアプローチ、あるいは負の訓練データとの識別を行うアプローチのいずれかとして捉えられる。これらの2つのアプローチは異なる失敗モードを示すため、ハイブリッドなアルゴリズムは魅力的な研究課題である。しかし、密な異常検出には並進等価性(translational equivariance)と非常に高い入力解像度が要求される。これらの要件により、これまでのすべてのハイブリッド手法は、知られている限りでは不適切となる。そこで本研究では、識別的なロジットを未正規化された同時分布 $\hat{p}(\mathbf{x}, \mathbf{y})$ の対数として再解釈することに基づく、新たなハイブリッドアルゴリズムを設計した。本モデルは、共有された畳み込み表現から出発し、以下の3つの密な予測を回復する:i) 閉集合クラス事後確率 $P(\mathbf{y}|\mathbf{x})$、ii) データセット事後確率 $P(d_{in}|\mathbf{x})$、iii) 未正規化データ尤度 $\hat{p}(\mathbf{x})$。後者の2つの予測は、標準的な訓練データに加えて、汎用的な負のデータセット上でも学習される。これらの2つの予測を組み合わせてハイブリッド異常スコアを構築し、大規模な自然画像における密なオープンセット認識を可能にする。未正規化定数 $Z(\theta)$ が計算困難であるため、バックプロパゲーションを回避するためのカスタム損失関数を慎重に設計した。実験では、標準的な密な異常検出ベンチマークおよび、密なオープンセット性能を評価するための新規指標である open-mIoU に基づいて、本手法の貢献を評価した。提案手法は、標準的なセマンティックセグメンテーションベースラインに比べて計算コストの増加が無視できる程度でありながら、最先端の性能を達成した。