Unbiased Teacher v2:アンカーフリーおよびアンカーベース検出器向けの半教師付きオブジェクト検出

最近の半教師あり物体検出(Semi-Supervised Object Detection: SS-OD)技術の発展により、限られたラベル付きデータと豊富なラベルなしデータを用いることで、物体検出器の性能向上が可能となっている。しかし、依然として解決されていない二つの課題が存在する:(1)アンカーフリー検出器に対する先行するSS-OD研究は存在せず、(2)擬似ラベルによるバウンディングボックス回帰において、従来の手法は効果を発揮しない。本論文では、SS-OD手法がアンカーフリー検出器へ一般化可能であることを示す「Unbiased Teacher v2」を提案するとともに、無監視回帰損失に対応する「Listen2Student」メカニズムを導入する。具体的には、まず既存のSS-OD手法がアンカーフリー検出器に対してどれほど有効であるかを検証する分析を行い、半教師あり設定下で性能向上が著しく低いことを確認した。さらに、アンカーフリー検出器で用いられるセンタネスに基づくボックス選択や、位置情報に基づくラベリング手法が、半教師あり設定では十分に機能しないことも観察した。一方、本研究で提案する「Listen2Student」メカニズムは、バウンディングボックス回帰の学習において誤った擬似ラベルが生成されるのを明示的に防止する。特に、教師モデルと学生モデルの相対的な不確実性に基づく新たな擬似ラベル選択メカニズムを設計することで、半教師あり設定下での回帰ブランチにおける性能向上を実現した。本手法はアンカーフリーおよびアンカーベースの両方の検出器に適用可能であり、VOC、COCO-standard、COCO-additionalの各ベンチマークにおいて、最先端手法を常に上回る一貫した優れた性能を示している。