知識拡張型プロンプト学習を用いた統合型対話型レコメンデーションシステムのためのアプローチ

対話型レコメンデーションシステム(Conversational Recommender Systems: CRS)は、自然言語による対話を通じてユーザーの好みを能動的に把握し、高品質なアイテムを推薦することを目的としています。一般的に、CRSはユーザーの好むアイテムを予測するレコメンデーションモジュールと、適切な応答を生成する対話モジュールから構成されています。効果的なCRSの開発には、これらの二つのモジュールを円滑に統合することが不可欠です。これまでの研究では、意味的整合性を図る戦略を設計するか、あるいは二つのモジュール間で知識リソースや表現を共有するアプローチが採用されてきました。しかし、これらの手法は依然として二つのモジュールの開発に異なるアーキテクチャや技術を用いるため、効果的なモジュール統合が困難であるという課題を抱えています。この問題に対処するため、本研究では知識強化型プロンプト学習に基づいた統一型CRSモデル「UniCRS」を提案します。本手法は、レコメンデーションと対話という二つのサブタスクを、プロンプト学習の枠組みに統合し、固定された事前学習済み言語モデル(PLM)に基づく知識強化型プロンプトを用いて、一貫したアプローチで両方のタスクを実現します。プロンプト設計においては、統合された知識表現、タスク固有のソフトトークン(soft tokens)、および対話文脈を組み込み、PLMがCRSタスクに適応するための十分な文脈情報を提供します。さらに、レコメンデーションサブタスクにおいては、生成された応答テンプレートをプロンプトの重要な構成要素として組み込み、二つのサブタスク間の情報相互作用を強化しています。公開されている2つのCRSデータセットを用いた広範な実験により、本手法の有効性が実証されました。