
要約
顔認証の偽造防止(Face anti-spoofing)は、生体認証システムにおける高いセキュリティ要件から注目を集めている。商業用ハードウェアへの生体認証顔技術の導入は、専用センサを用いない状態で偽のログインセッションを検出する信頼性の高い手法の開発に大きく依存している。現在のCNNベースの手法は、訓練に用いたドメインでは良好な性能を発揮するが、事前に観測されていないデータセットに対してはしばしば一般化性能が劣る。本論文では、特別な適応処理を施すことなく複数のデータセットにわたって性能を向上させるために、教師なし事前学習(unsupervised pretraining)を活用する手法を提案する。また、教師あり微調整(supervised fine-tuning)用に「Entry Antispoofing Dataset」を公開し、偽造試行の二値分類タスクに明示的かつ解釈可能な信号を付加するための多クラス補助分類層を提案する。実験により、MSU-MFSD、Replay-Attack、OULU-NPUの各データセットにおけるクロスデータセットテストにおいて、最先端の性能を達成したことを示した。