11日前
テンプレートベースのグラフニューラルネットワークと最適輸送距離
Cédric Vincent-Cuaz, Rémi Flamary, Marco Corneli, Titouan Vayer, Nicolas Courty

要約
現在のグラフニューラルネットワーク(GNN)アーキテクチャは、一般的に二つの重要な要素に依存している。一つはメッセージパッシングを用いたノード特徴量の埋め込みであり、もう一つは専用のプーリング形式による集約である。これらの二つのステップにおいて、グラフの構造的(またはトポロジカルな)情報は暗黙的に考慮されている。本研究では、グラフ表現の中心に、学習可能なグラフテンプレートからの距離を置くという新たな視点を提案する。この距離埋め込みは、最適輸送距離である「融合型グラホフ・ワッサーシュタイン(FGW)距離」を用いて構築される。FGW距離は、ソフトなグラフマッチング問題を解くことで、特徴量と構造の両方の不一致を同時に表現する。我々は、複数のテンプレートグラフに対するFGW距離のベクトルが強力な識別能力を持つと仮定し、それを非線形分類器に供給して最終的な予測を行う。距離埋め込みは新たな層と見なすことができ、既存のメッセージパッシング技術を活用することで、意味のある特徴表現の促進が可能となる。興味深いことに、本研究では最適なテンプレートグラフ集合自体も、この層を微分可能としてエンドツーエンドで学習することが可能である。対応する学習手順を提示した後、合成データおよび実世界のグラフ分類データセットにおいて、本手法の有効性を実証的に検証した。その結果、本手法はカーネル法およびGNNの最先端手法と比較しても競争力があり、あるいはそれを上回ることが示された。さらに、アブレーションスタディおよびパラメータの感度分析を通じて、実験を補完した。