16日前
オンラインマルチオブジェクトトラッキングにおけるスパースグラフトラッカーを用いた検出回復
Jeongseok Hyun, Myunggu Kang, Dongyoon Wee, Dit-Yan Yeung

要約
既存の同時検出・追跡手法では、過去のトラックレットと現在の検出結果をマッチングする際に、ペアワイズな関係特徴が用いられている。しかし、これらの特徴は多数の検出結果の中からターゲットを識別する上で十分な識別力を持たない場合がある。追跡に高スコアの検出結果のみを用いる場合、スコアが低い検出結果が見逃されてしまう可能性がある。その結果、オンライン設定下では、トラックレットの接続が途切れ、回復不可能な状態に陥ることがある。こうした課題に対し、本研究では、隣接する検出結果の特徴およびそれらの関係を統合することで、より識別力の高い高次関係特徴を用いる新たなオンライングラフ追跡手法「Sparse Graph Tracker(SGT)」を提案する。SGTは動画データをグラフに変換し、検出結果、それらの接続、および接続されたノード間の関係特徴をそれぞれノード、エッジ、エッジ特徴として表現する。強力なエッジ特徴により、SGTは上位K個のスコアの高い検出結果から追跡候補を選定しても、Kが大きい値であっても安定して追跡が可能となる。その結果、低スコアの検出結果も追跡可能となり、見逃された検出結果の回復も実現できる。広範な実験により、Kの値に対するロバスト性が確認された。MOT16/17/20およびHiEve Challengeにおいて、リアルタイムの推論速度を維持しつつ、最先端の追跡手法を上回る性能を達成した。特にMOT20およびHiEve ChallengeではMOTAの大幅な向上が示された。コードは以下のURLから公開されている:https://github.com/HYUNJS/SGT。