
要約
自動運転における物体認識問題について、自動車用レーダーセンサーを用いて検討する。LiDARセンサーと比較して、レーダーはコスト効率が高く、あらゆる天候条件下でも自動運転における周囲認識において高い耐障害性を有する。しかし、レーダー信号は角度分解能が低く、周囲の物体を正確に認識する際に精度に課題を抱えている。本研究では、自動車用レーダーの性能を向上させるために、連続するエゴセントリックな鳥瞰図(bird-eye-view)レーダー画像フレームから得られる時間的情報を活用する。物体の存在の継続性および属性(サイズ、方向など)の整合性を活用し、連続するレーダー画像間における物体間の関係を明示的にモデル化するための「時間的関係層(temporal relational layer)」を提案する。物体検出および複数物体追跡の両タスクにおいて、複数のベースライン手法と比較して本手法の優位性を示した。