
要約
視点間画像ジオロケーションにおいて、主流となっているCNNベースの手法は、極座標変換(polar transform)に依存しており、グローバルな相関関係を十分にモデル化できないという課題を抱えている。本研究では、この問題に異なる視点からアプローチする純粋なTransformerベースの手法、TransGeoを提案する。TransGeoは、Transformerが持つグローバル情報のモデリング能力および明示的な位置情報の符号化能力を最大限に活用している。さらに、Transformerの入力に対する柔軟性を活かし、注意機構(attention)を用いた非一様なクロッピング手法を導入することで、情報のない画像パッチを効果的に排除しつつ、性能の低下を最小限に抑え、計算コストを削減する。この節約された計算資源は、情報量の多いパッチのみに解像度を向上させるために再配分可能であり、追加の計算コストをかけずに性能向上を実現する。この「注目してズームインする」戦略は、人間が画像を観察する際の行動と極めて類似している。特に、TransGeoは都市部および農村部の両方のデータセットにおいて、従来のCNNベース手法よりも顕著に低い計算コストで最先端の性能を達成しており、極座標変換に依存せず、処理速度もCNNベース手法を上回っている。コードは以下のURLで公開されている:https://github.com/Jeff-Zilence/TransGeo2022。