
要約
視覚言語ナビゲーション(VLN)は、視覚的に根付いた言語理解という挑戦的なタスクである。自然言語によるナビゲーション指示を提示された際、視覚エージェントはパノラマ画像を備えたグラフベースの環境と相互作用し、記述された経路に従って移動することを目指す。これまでの多数の研究は屋内環境を対象としており、訓練時に使用された経路と類似した経路におけるナビゲーションでは優れた結果が得られているが、未観測の環境でのテストでは性能が急激に低下する傾向がある。本研究では屋外環境におけるVLNに焦点を当て、屋内VLNとは対照的に、未観測データに対する屋外VLNの性能向上の大部分は、交差点の種類エンベディングやヘディングの差分(heading delta)といった、特定の環境グラフに依存する特徴に起因していることが明らかになった。一方で、画像情報は未観測の屋外領域への一般化において極めて小さな役割しか果たしていない。これらの発見は、都市環境のグラフ表現に固有の偏りが存在することを示しており、VLNタスクが地理的環境のスケールと多様性をさらに拡大する必要があることを示唆している。