3ヶ月前

感情分析におけるアスペクトベースと文ベースのラベル空間を統合するための取り組み

Yiming Zhang, Min Zhang, Sai Wu, Junbo Zhao
感情分析におけるアスペクトベースと文ベースのラベル空間を統合するための取り組み
要約

感情分析の一分野である「Aspect-Based Sentiment Analysis(ABSA)」は、文内に出現する特定のアスペクト語に対する感情極性を精細に特定することを目的とするタスクである。このABSAタスクの発展は、注釈付きデータの不足により大きく制限されてきた。これを克服するために、先行研究では感情分析(SA)データセットを活用してABSAモデルの学習を支援する可能性について検討されてきた。主に事前学習(pretraining)やマルチタスク学習を用いたアプローチが採られている。本稿では、こうした先行研究の流れを踏襲し、初めて擬似ラベル(Pseudo-Label, PL)手法を用いて、同質的な2つのタスクを統合する手法を実現した。2つの関連性の高いタスクにおけるラベルの粒度を統一するという点では、生成された擬似ラベルを用いることが直感的に自然に思えるが、本研究ではこのアプローチにおける主要な課題を特定し、新たなフレームワークである「Dual-granularity Pseudo Labeling(DPL)」を提案する。さらに、PLと同様に、DPLを他の既存手法を統合可能な汎用的なフレームワークとして位置づけている。広範な実験を通じて、DPLは標準ベンチマークにおいて既存手法を大きく上回る最先端の性能を達成した。