17日前
C2-CRS:会話型レコメンデーションシステムのための粗粒度から細粒度への対比学習
Yuanhang Zhou, Kun Zhou, Wayne Xin Zhao, Cheng Wang, Peng Jiang, He Hu

要約
会話型レコメンデーションシステム(Conversational Recommender Systems, CRS)は、自然言語による対話を通じてユーザーに適切なアイテムを推薦することを目的としています。効果的なCRSの開発において、主要な技術的課題は、非常に限られた会話文脈からユーザーの嗜好を正確に推定する方法にあります。この課題に対処するため、外部データを活用して文脈情報を豊かにするアプローチが有望です。しかし、従来の研究は特定のタイプの外部データに特化した融合モデルの設計に主眼を置いており、複数種類の外部データを一般化してモデル化・活用するという点で限界がありました。本研究では、多種類の外部データを効果的に活用するため、新たな「粗粒度から細粒度へ」という対比学習フレームワークを提案します。本手法では、異なるデータ信号から多粒度の意味単位を抽出・表現し、それらを粗粒度から細粒度にかけて段階的に統合・対応させます。このフレームワークを実現するため、ユーザー嗜好をモデル化する際に粗粒度と細粒度の両方のプロセスを設計しています。前者はより一般的な粗粒度の意味融合に注力し、後者はより具体的な細粒度の意味融合に焦点を当てます。このアプローチは、さらに多くの種類の外部データを統合する際にも拡張可能である点が特徴です。公開されている2つのCRSデータセットを用いた広範な実験により、本手法が推薦タスクおよび対話タスクの両面で有効であることが実証されました。