
要約
過去10年間、レコメンデーションシステムに関する研究が活発化し、さまざまな企業の収益向上に貢献する価値あるサービスとして注目されている。論文推薦システムの処理においては、いくつかのアプローチが存在する。既存の多くは、コンテンツベースアプローチまたは協調フィルタリング(コラボラティブフィルタリング)に依拠しているが、両者を組み合わせたハイブリッドアプローチにより、推薦精度の向上が図られている。多くのアルゴリズムがこのような手法を用いて提案されてきたものの、さらなる改善の余地は依然として存在する。本論文では、ユーザーの評価類似性に基づくグラフモデルと、ユーザーの人口統計情報および位置情報(ロケーション情報)を統合したレコメンデーション手法を提案する。自動符号化器(Autoencoder)を用いた特徴抽出の利点を活かし、すべての統合属性から新たな特徴を抽出した。抽出された新たな特徴を用いてユーザーをクラスタリングすることで、提案手法(GHRS)は、特に新規ユーザー(コールドスタート問題)に対する性能において、既存手法を大きく上回る結果を得た。MovieLensデータセットを用いた実験結果から、提案アルゴリズムが多数の既存推薦アルゴリズムを上回る推薦精度を達成していることが示された。