17日前
パターンを記憶する能力の習得:交通予測のためのパターンマッチングメモリネットワーク
Hyunwook Lee, Seungmin Jin, Hyeshin Chu, Hongkyu Lim, Sungahn Ko

要約
交通予測は、複雑な道路ネットワークや道路状況の変化(例えば事故や渋滞など)に起因する急激な速度変化により、困難な課題である。これまでに、道路の空間的・時間的依存関係を学習することに焦点を当てた多数のモデルが提案されてきた。本研究では、大量のデータが一連のパターンによって表現可能であるという仮定の下、交通予測問題をパターンマッチング問題に再定式化する新しい視点を提案する。この新しいアプローチの有効性を検証するため、キーバリュー記憶構造を用いて入力データを代表的なパターンにマッチングする能力を学習する、新たな交通予測モデル「Pattern-Matching Memory Networks(PM-MemNet)」を設計した。まず、代表的な交通パターンを抽出・クラスタリングし、それらを記憶内の「キー」として定義する。その後、抽出されたキーと入力データとのマッチングを通じて、PM-MemNetは記憶から既存の交通パターンに関する必要情報を取得し、それを予測に活用する。交通データの空間的・時間的相関を効果的にモデル化するため、注意機構(attention)とグラフ畳み込み(graph convolution)を統合した新規な記憶アーキテクチャ「GCMem」を提案した。実験結果から、PM-MemNetはGraph WaveNetを含む最先端モデルと比較して、より高い予測精度と迅速な応答性を示した。さらに、道路速度が急激に変化する状況におけるPM-MemNetの動作メカニズムと、その高精度を達成する理由について、定性的な分析結果も提示した。