17日前

異常を再構成しない学習

Marcella Astrid, Muhammad Zaigham Zaheer, Jae-Yeong Lee, Seung-Ik Lee
異常を再構成しない学習
要約

動画異常検出は、異常例の入手が限られていることから、しばしば一クラス分類(OCC)問題として扱われる。一般的に、この問題に対処するため、通常のデータのみを用いた訓練データセットでオートエンコーダー(AE)を学習させ、入力を再構成する能力を高める。テスト段階では、通常データに対しては良好に再構成できる一方で、異常データに対しては再構成が劣化するという期待がなされる。しかし、いくつかの研究で示されているように、通常データのみで学習したAEであっても、異常データを再構成してしまう傾向が見られ、これが異常検出性能の低下を引き起こす要因となっている。この問題を緩和するため、本研究では、入力が通常データであっても異常データであっても、AEが「常に通常データのみを再構成する」ことを目的とした新たな学習手法を提案する。OCC設定では実際の異常データは存在しないため、本手法では通常データを操作して生成された擬似異常データ(pseudo anomalies)を用いて学習を支援する。これにより、通常データからの逸脱を模倣した分布を再現できる。さらに、擬似異常データの生成方法として、ピクセル領域を切り取る「ピッチベース」と、フレームをスキップする「スキップフレームベース」の2種類のアプローチを提案する。3つの挑戦的な動画異常検出データセットを用いた広範な実験により、従来のAEを大幅に改善し、最先端の性能を達成することが確認された。