
要約
本稿では、テキスト記述に基づいて数学的問題を自動的に解答するという数学文章題の処理に取り組む。近年の手法は有望な成果を示しているものの、その多くはテンプレートベースの生成方式に依拠しており、一般化能力に限界がある。このような課題に対応するため、想起と学習のアプローチを採用した人間のような類推学習法を提案する。本研究で提唱するフレームワークは、記憶(memory)、表現(representation)、類推(analogy)、推論(reasoning)の各モジュールから構成されており、過去に学習した問題を参照して新たな問題を生成する能力を有する。具体的には、与えられた数学文章題に対して、まず記憶モジュールが類似問題を検索し、その後表現モジュールにより未解決の問題および各検索された問題を符号化する。さらに、類推に基づく問題解決を実現するため、コピー機構を備えた類推モジュールと推論モジュールを提案し、問題と各検索された問題との間の相互関係をモデル化する。2つの代表的なデータセットにおける広範な実験結果から、本手法は他の最先端手法と比較して、全体的な性能評価およびマイクロスコープ分析の両面で優れた性能を示していることが確認された。