
要約
共感は、他者の感情状態を推論するという複雑な認知能力に基づいています。対話において他者をより深く理解し、より強い共感を表現するために、我々は以下の2つの課題が同時に解決されなければならないと主張します:(i) 他者の発話から感情の原因となる単語を特定することと (ii) それらの特定の単語を応答生成に反映させることです。しかし、テキスト中の感情原因単語の認識に従来のアプローチでは、サブ発話レベルの注釈が必要であり、これは負担が大きいことがあります。社会認知から着想を得て、単語レベルのラベルなしで感情原因単語を推定するための生成推定器を利用しています。また、プラグマティクスに基づく新しい手法を導入し、対話モデルが生成時に入力内のターゲット単語に焦点を当てるようになっています。本手法は追加学習なしで任意の対話モデルに適用可能です。我々は自動評価および人間評価の両面で、本アプローチが最良の性能を持つ複数の対話エージェントにおいてより焦点を絞った共感的な応答を生成することに貢献すると示しています。