OPV2V:車両間通信を活用した認識におけるオープンベンチマークデータセットおよび統合パイプライン

自律走行技術における認識性能の向上にため、車両間通信(Vehicle-to-Vehicle communication)を活用する取り組みが近年注目を集めている。しかし、協調認識技術の開発と評価を可能にする適切なオープンデータセットが存在しないため、研究の進展が阻害されてきた。このような状況を踏まえ、本研究では、車両間認識を対象とした世界初の大規模オープンシミュレートデータセットを提示する。本データセットは、CARLAシミュレータ上における8つの街並みおよびロサンゼルスのクルバー・シティのデジタル街並みから収集されたもので、70以上の興味深いシーン、11,464フレーム、232,913個の3次元車両バウンディングボックスのアノテーションを含んでいる。さらに、最先端のLiDAR検出アルゴリズムを用いて、早期融合(early fusion)、後期融合(late fusion)、中間融合(intermediate fusion)といった複数の情報統合戦略を評価するため、合計16の実装済みモデルを用いた包括的なベンチマークを構築した。また、複数の接続された車両からの情報を効果的に統合する新たな「アテンション型中間融合パイプライン(Attentive Intermediate Fusion pipeline)」を提案する。実験の結果、このパイプラインは既存の3次元LiDAR検出器と容易に統合可能であり、高い圧縮率下でも優れた性能を発揮することが明らかになった。本研究の成果が、より多くの研究者による車両間認識分野の探求を促進することを期待し、データセット、ベンチマーク手法、およびすべての関連コードを https://mobility-lab.seas.ucla.edu/opv2v/ にて公開する予定である。