
要約
クロスリンガルエンティティアライメント(EA)は、異言語知識グラフ(KG)間の同等エンティティを特定することを目的としており、KGの統合において重要なステップである。近年、多数のGNNベースのEA手法が提案され、いくつかの公開データセットにおいて良好な性能向上が示されている。一方で、既存のGNNベースのEA手法は、ニューラルネットワークに起因する解釈性の低さと効率の悪さを避けがたい。本研究では、GNNベース手法に共通する同型性仮定(isomorphic assumption)に着目し、クロスリンガルEA問題を割当問題(assignment problem)に成功裏に変換した。この知見を基盤として、ニューラルネットワークを一切用いない、非常にシンプルかつ効果的な非教師ありエンティティアライメント手法(SEU:Simplistic but Effective Unsupervised)を提案する。広範な実験の結果、提案手法はすべての公開データセットにおいて、先進的な教師あり手法を上回る性能を発揮し、高い効率性、解釈可能性、および安定性を兼ね備えていることが明らかになった。