3ヶ月前

グラフオートエンコーダを用いた誘導型行列補完

Wei Shen, Chuheng Zhang, Yun Tian, Liang Zeng, Xiaonan He, Wanchun Dou, Xiaolong Xu
グラフオートエンコーダを用いた誘導型行列補完
要約

最近、グラフニューラルネットワーク(GNN)は、評価行列を二部グラフとして定式化し、対応するユーザーとアイテムノード間のリンクを予測することで、行列補完において大きな力を発揮している。多数のGNNベースの行列補完手法は、グラフオートエンコーダー(GAE)に基づいている。これらの手法では、ワンホット表現のインデックスを入力とし、ユーザー(またはアイテム)のインデックスを学習可能な埋め込みにマッピングした後、GNNを用いてこれらの学習可能な埋め込みに基づいてノード固有の表現を学習し、最終的にターゲットユーザーとその対応するアイテムノードの表現を統合して欠損リンクを予測する。しかし、訓練にノードのコンテンツ(すなわち補助情報)が存在しない場合、インダクティブな設定においてユーザー(またはアイテム)固有の表現を学習することは不可能である。つまり、あるユーザー群(またはアイテム群)で訓練されたモデルは、新しいユーザー(またはアイテム)に適応できない。この課題に対応するため、本研究ではGAEを用いたインダクティブ行列補完手法(IMC-GAE)を提案する。本手法は、GAEを用いてユーザー固有(またはアイテム固有)の表現を学習してパーソナライズされた推薦を実現するとともに、局所的なグラフパターンを学習し、インダクティブな行列補完を可能にする。具体的には、2種類の情報量豊かなノード特徴を設計し、GAEにおいてレイヤーごとのノードドロップアウトスキームを採用することで、未観測データにも一般化可能な局所的なグラフパターンを学習する。本研究の主な貢献は、従来のGNNベースの行列補完手法と比較して、高いスケーラビリティと優れた表現力を持つGAEにおいて、効率的に局所的なグラフパターンを学習できる点にある。さらに、多数の実験により、本モデルが複数の行列補完ベンチマークにおいて最先端の性能を達成することを示した。本研究の公式コードは公開されている。