
要約
コラボラティブフィルタリング(CF)は、推薦システムにおける長年にわたる課題である。近年、古典的な行列因子分解から、最新のグラフ畳み込みネットワーク(GCN)に基づくアプローチに至るまで、多数の新規手法が提案されてきた。最近の激しい議論を経て、研究者たちは層結合を伴う線形GCNに注目し、多くのデータセットにおいて最先端の精度を達成している。本研究では、線形GCNの概念が微分方程式として解釈可能であることに着目し、神経常微分方程式(NODE)の枠組みに基づいてそれらを拡張し、可学習時間に基づく常微分方程式型コラボラティブフィルタリング(LT-OCF)を提案する。本手法の主な新規性は以下の3点である:i)NODEの枠組み上で線形GCNを再設計した上で、手動で設計されたアーキテクチャに依存せず、最適なアーキテクチャを学習する;ii)CFに適した滑らかなODE解を学習する;iii)内部で多様なニューラルネットワーク接続を構築するさまざまなODEソルバーを用いて実験を行う。また、本手法に特化した新しい学習手法も提案する。Gowalla、Yelp2018、Amazon-Bookの3つのベンチマークデータセットを用いた実験において、本手法は従来手法を常に上回る精度を示した。例えば、Amazon-Bookにおいて、LightGCNのリコールは0.0411、NDCGは0.0315であったのに対し、LT-OCFではそれぞれ0.0442および0.0341を達成した。さらに重要な発見として、実験の結果、線形接続ではなく、密接続(dense connections)によって最良の精度が達成されたことが明らかになった。