
要約
教師なし人物再識別(Re-ID)は、教師なし設定下で異なるカメラ視点から取得された人物画像を一致させるタスクを目的としています。従来の教師なし人物Re-ID手法は、主にクラスタリングから得られる擬似ラベルに依拠しています。しかし、クラスタリングの品質は学習された特徴の質に大きく依存しており、特に教師なし設定においては、画像の色が特徴表現を圧倒的に支配する傾向があります。本論文では、クラスタ構造を適切に設計された非対称な対比学習フレームワーク内で活用し、特徴学習をガイドする「クラスタ誘導型非対称対比学習(Cluster-guided Asymmetric Contrastive Learning, CACL)」を提案します。具体的には、同一データ拡張ビュー内および異なるデータ拡張ビュー間におけるクラスタ構造を考慮した、新たなクラスタレベルの対比損失を導入することで、シアンスネットワークが特徴学習における不変性を効果的に抽出できるようにします。3つのベンチマークデータセットを用いた広範な実験により、本手法が優れた性能を発揮することが確認されました。