認知症を有する高齢者の自然な歩行動画を用いたパーキンソニズムの重症度推定

薬剤誘発性パーキンソン症候群は、認知症を有する高齢者に多く見られ、歩行障害を引き起こすことがよくある。近年、視覚ベースの人体ポーズ推定技術の進展により、居住環境において頻繁かつ非侵襲的な歩行分析が可能となった。本研究では、認知症を有する個体の動画から、パーキンソン症候群の臨床スコアを予測するために、新規の空間時系列グラフ畳み込みネットワーク(ST-GCN)アーキテクチャおよび学習手法を活用した。提案手法は、2段階の学習アプローチを採用しており、まず自己教師付き事前学習段階でST-GCNモデルが歩行パターンを学習し、その後、微調整段階で臨床スコアを予測する。提案されたST-GCNモデルは、動画から抽出した関節軌道を入力として評価され、従来の回帰モデル(順序回帰、線形回帰、ランダムフォレスト)および時系列畳み込みネットワーク(TCN)ベースラインと比較された。4787件の自然歩行データ(53名の高齢者認知症患者から取得)について、2次元人体ポーズ推定ライブラリ(OpenPose、Detectron、AlphaPose)およびMicrosoft Kinect(2次元および3次元)を用いて関節軌道を抽出した。そのうち、14名の参加者から399件の歩行データについて、統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)およびSimpson-Angus尺度(SAS)の歩行項目に基づくパーキンソン症候群の重症度スコアがラベル付けされた。結果として、Kinectから抽出した3次元関節軌道を入力とするST-GCNモデルが、すべての他のモデルおよび特徴セットを一貫して上回ることが示された。未観測参加者に対する自然歩行におけるパーキンソン症候群スコアの予測は依然として困難であり、最も優れたモデルでも、UPDRS-歩行項目およびSAS-歩行項目のマクロ平均F1スコアはそれぞれ0.53 ± 0.03および0.40 ± 0.02にとどまった。本研究の事前学習モデルおよびデモコードは公開されており、以下から入手可能である:https://github.com/TaatiTeam/stgcn_parkinsonism_prediction。