
要約
近年の無監督ドメイン適応(UDA)に関する研究は、エンドツーエンドのアンサンブル学習フレームワークがUDAタスクにおいて有望な選択肢であることを示している。しかしながら、こうしたエンドツーエンドのアンサンブル学習手法は、アンサンブルの構成要素に変更を加えるたびにフレームワーク全体の再学習が必要となるため、柔軟性に欠ける傾向がある。この問題に対処するため、我々は、セマンティックセグメンテーションを目的とするUDAに対して、任意のアンサンブル構成を柔軟に組み合わせながらも、優れた性能を維持できる柔軟なアンサンブル蒸留フレームワークを提案する。この柔軟性を実現するため、本フレームワークはアンサンブル内メンバー間の出力の不一致や性能のばらつきに対して高いロバスト性を持つように設計されている。本手法の有効性およびロバスト性を検証するため、GTA5からCityscapes、SYNTHIAからCityscapesという2つのベンチマークにおいて広範な実験を実施し、提案手法による性能向上を定量的に評価した。さらに、設計選択の実用性と有益性を裏付けるための詳細な分析も提供している。実験結果は、本手法が現在の代表的なベースライン手法と比較して、セマンティックセグメンテーションを目的とするUDAタスクにおいて優れた性能、高いロバスト性、および柔軟性を実現していることを確証している。