
要約
網膜血管の画像からの分離は、網膜疾患に対するコンピュータ支援診断システムの開発において不可欠なタスクである。近年、エンドツーエンドで網膜画像を効率的に分離する高精度な深層学習ベースのアプローチが多数提案されている。しかし、網膜血管画像およびその分離ラベルの取得には専門医による膨大な作業が必要であり、その結果、ラベルが不完全な小規模なトレーニングデータセットに限定される傾向にある。一般的に、データ駆動型手法はデータ不足に弱く、小規模なトレーニングデータに対して過学習が生じやすい。特に、トレーニング用の血管ラベルが不完全または誤っている場合、この問題はさらに顕著になる。本論文では、ノイズのあるラベルに基づいて学習されたモデルのロバスト性を向上させるため、Study Group Learning(SGL)スキームを提案する。さらに、学習された強調マップは従来手法よりも優れた可視化を提供し、臨床医の補助ツールとして有効である。実験結果から、提案手法はDRIVEおよびCHASE_DB1データセットにおいて、特にラベルにノイズが含まれる状況下でも、網膜血管分離性能をさらに向上させることを示した。