17日前
スレンダーオブジェクト検出:診断と改善
Zhaoyi Wan, Yimin Chen, Sutao Deng, Kunpeng Chen, Cong Yao, Jiebo Luo

要約
本稿では、極端なアスペクト比を持つ特定の物体、すなわち細長い物体(slender objects)の検出に焦点を当てる。現実世界の状況において、細長い物体は非常に一般的であり、物体検出システムの目的にとっても極めて重要である。しかし、従来の物体検出アルゴリズムはこの種の物体をほとんど無視してきた。我々の調査によれば、古典的な物体検出手法において、COCOデータセット上で細長い物体のみを評価した場合、mAPが18.9%も著しく低下することが確認された。したがって、本研究では細長い物体検出問題を体系的に検討する。それに伴い、さまざまなアルゴリズムやモジュールを評価・比較できるよう、慎重に設計されたベンチマークおよび評価プロトコルを備えた分析フレームワークを構築した。本研究の結果から、細長い物体の有効な検出は、(1)アンカーに基づく局所化、(2)特別に設計されたボックス表現のいずれも不要であることが明らかになった。むしろ、細長い物体検出の向上において最も重要な要素は、特徴量の適応(feature adaptation)である。本研究は、これまで軽視されてきた既存手法の知見を特定し、それを拡張するものである。さらに、現在代表的な物体検出手法に対して明確かつ一貫した性能向上を達成する特徴量適応戦略を提案する。