
要約
テンソル因子分解に基づくモデルは、知識グラフ補完(KGC)において大きな力を発揮している。しかし、これらのモデルの性能はしばしば過学習の問題に悩まされる。これにより、二乗フロベニウスノルムやテンソルノルム正則化子など、さまざまな正則化手法が提案されてきたが、その適用範囲の限界が実用的な利用を制約している。この課題に対処するため、本研究では新たな正則化子「DURA(DUality-induced RegulArizer)」を提案する。DURAは、既存のモデルの性能向上に有効であるだけでなく、多様な手法に広く適用可能であるという特徴を持つ。DURAの主な革新点は、既存のテンソル因子分解に基づくKGCモデル(プライマル)に対して、しばしばその双対となる距離ベースのKGCモデル(デュアル)が密接に関連しているという観察に基づいている。実験の結果、DURAはベンチマーク上で一貫して顕著な性能向上を示した。