
要約
ドメイン適応型人物再識別(ReID)は、ターゲットシナリオにおけるドメインギャップおよびアノテーション不足という課題から、難しい問題である。本論文では、これらの課題に対処するため、ドメイン不変マッピング(DIM)とグローバル・ローカル距離最適化(GLO)からなる連携最適化手法を提案する。従来の手法が知識の転送を二段階で行うのに対し、DIMはラベル付きデータセットとラベルなしデータセットの画像を共有特徴空間にマッピングすることで、より効率的なワンステージ知識転送を実現する。一方、GLOはターゲットドメインにおける教師なし設定でのReIDモデル学習を目的として設計されている。従来の教師あり学習を想定した最適化戦略に依存するのではなく、GLOは距離最適化により多くの画像を活用し、ノイズのあるラベル予測に対して高いロバスト性を達成する。さらに、GLOはグローバルなデータセットレベルとローカルな訓練バッチレベルの両方における距離最適化を統合しているため、優れた訓練効率を発揮する。Market-1501、DukeMTMC-reID、MSMT17の3つの大規模データセットを用いた広範な実験により、本手法が最先端の手法を大きく上回ることを示した。また、本手法は教師なし学習設定でも良好な性能を発揮し、いくつかの最近のドメイン適応型手法を上回ることも確認された。