17日前
マルチビュー・マウス社会行動認識におけるディープグラフィカルモデルの活用
Zheheng Jiang, Feixiang Zhou, Aite Zhao, Xin Li, Ling Li, Dacheng Tao, Xuelong Li, Huiyu Zhou

要約
マウスのホームケージ内社会行動解析は、神経変性疾患の治療効果を評価する上で極めて貴重な手法である。研究コミュニティにおける多大な努力にもかかわらず、現状では主に単一カメラによる動画記録が用いられている。一方で、マウスの社会行動を豊かに記述可能な可能性を有することから、多視点動画記録を用いた実験観察への注目が高まっている。しかし、異なる視点からのデータ間に対応関係が不足しているため、多視点からの社会行動の識別は依然として困難である。この課題に対処するために、本研究では新たな多視点潜在注意(latent-attention)および動的判別モデルを提案する。本モデルは、各視点特有のサブ構造と視点間共有のサブ構造を同時に学習する仕組みを備えており、前者は各視点独自の動的特性を捉え、後者は視点間の相互作用を表現する。さらに、学習された特徴量を効果的に抽出するため、新たな多視点潜在注意変分自己符号化器(variational autoencoder)モデルを導入した。これにより、各視点における判別性の高い特徴量を効果的に学習することが可能となる。標準的なCRMI13データセットおよび本研究で構築した多視点パーキンソン病マウス行動(PDMB)データセットを用いた実験結果から、本モデルが他の最先端技術を上回る性能を発揮し、不均衡データ問題に対しても有効に処理できることを示した。