
要約
人間-物体インタラクション(HOI)検出には大量のアノテーション付きデータが必要である。現在のアルゴリズムは、訓練サンプルの不足やデータセット内のカテゴリ不均衡という課題に直面している。データ効率を向上させるために、本論文ではHOI検出に向けた効率的かつ有効なデータ拡張手法であるDecAugを提案する。本研究で提案する物体状態類似度メトリクスに基づき、物体の状態を変更せずに、異なるHOI間で物体のパターンを共有することで、局所的な物体外観特徴を拡張する。さらに、ポーズ誘導型ガウス混合モデルを活用して、人間と物体間の空間的相関を他の妥当な配置へと移動させつつ、インタラクションの構造を保持する。実験の結果、本手法はV-COCOおよびHICODETデータセットにおいて、2つの先進的なモデルに対して最大3.3 mAPおよび1.6 mAPの性能向上をもたらした。特に、サンプル数が少ないインタラクションではより顕著な改善が見られた。本手法は、計算コストの増加が極めて小さいという利点から、さまざまなHOI検出モデルに容易に統合可能である。本研究のコードは公開予定である。