GIKT:知識追跡におけるグラフベースのインタラクションモデル

オンライン教育の急速な発展に伴い、知識追跡(Knowledge Tracing, KT)は、学生の知識状態を追跡し、新たな問題に対するパフォーマンスを予測する基盤的な問題として注目されている。オンライン教育システムでは問題が多数存在する一方で、それらははるかに少ない数のスキルに関連している。しかし、従来の研究は、問題情報と高次の問題-スキル相関を統合する点で不十分であり、主にデータのスパース性およびマルチスキル問題に起因する制約に直面している。モデルの観点から見ると、従来の手法は学生の学習履歴における長期依存関係を捉えることが困難であり、学生-問題間および学生-スキル間の相互作用を一貫した形でモデル化できないという課題を抱えている。本研究では、上記の課題に対処するため、知識追跡を目的としたグラフベースの相互作用モデル(Graph-based Interaction model for Knowledge Tracing, GIKT)を提案する。具体的には、GIKTはグラフ畳み込みネットワーク(Graph Convolutional Network, GCN)を用いて、埋め込み伝播(embedding propagation)を通じて問題とスキルの相関関係を効果的に統合する。さらに、関連する問題は通常、学習履歴全体に散在していること、また問題とスキルは知識の異なる表現形であることを踏まえ、GIKTは学生が特定の問題をどれだけ習得しているかという度合いを、学生の現在状態、関連する過去の学習履歴、対象となる問題、および関連するスキルとの相互作用として一般化する。3つのデータセットにおける実験結果から、GIKTが新たな最先端の性能を達成することが示され、少なくとも1%の絶対的なAUC向上が確認された。