
要約
表面欠陥検出における主流なアプローチは、手作業で設計された特徴量に基づく手法である。しかし、抽出された画像に影響を及ぼす環境条件の変化がある場合、この手法はその有効性を発揮できない。そこで本研究では、最先端の畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Networks, CNN)が表面欠陥検出タスクにおいてどの程度の性能を発揮するかを検証した。さらに、二つの新しい手法を提案する。第一に、複数のネットワークの予測結果を統合して最終的な出力とする「CNN-Fusion」であり、第二に、AutoMLを用いて分類部を再設計することでCNNの性能を向上させる新規提案手法「Auto-Classifier」である。本研究では、DAGM2007データセットを用いて異なるデータセット上で提案手法の有効性を検証する実験を行った。その結果、畳み込みニューラルネットワークを用いることで従来手法よりも優れた結果が得られることを示した。特に、Auto-Classifierは、すべてのデータセットにおいて100%の正確率(Accuracy)と100%のAUC(Area Under the Curve)を達成し、他のすべての手法を上回ることを確認した。