
要約
本稿では、画像異常検出および異常セグメンテーションの問題に取り組む。異常検出は、入力画像に異常が含まれているかどうかを二値判定するものであり、異常セグメンテーションは異常部位をピクセルレベルで特定することを目的とする。サポートベクタデータ記述(SVDD)は、異常検出に長年にわたり用いられてきたアルゴリズムであり、本研究ではその深層学習版を自己教師学習を活用したパッチベースの手法へ拡張する。この拡張により、異常セグメンテーションが可能となり、検出性能も向上する。その結果、MVTec ADデータセットにおけるAUROC評価において、従来の最先端手法と比較して、異常検出性能は9.8%、異常セグメンテーション性能は7.0%向上した。本研究の結果は、提案手法の有効性および産業応用への可能性を示している。さらに、提案手法の詳細な分析を通じてその動作特性に関する洞察が得られ、実装コードもオンライン上で公開されている。