Attentive WaveBlock:人物再識別およびそれ以上の分野における教師なしドメイン適応のための補完性強化型相互ネットワーク

人物再識別における教師なしドメイン適応(UDA)は、ソースドメインとターゲットドメインの間に大きなギャップが存在するため、困難な課題である。一般的な自己学習手法として、クラスタリングアルゴリズムによって生成された擬似ラベルを用いて、ターゲットドメイン上でモデルを反復的に最適化する方法が用いられる。しかし、この手法の欠点として、ノイズを含む擬似ラベルが学習を妨げるという問題がある。この問題に対処するため、二重ネットワークを用いた相互学習法が提案され、信頼性の高いソフトラベルの生成が可能となった。しかしながら、二つのニューラルネットワークが徐々に収束するにつれて、それらの相補性が低下し、同じ種類のノイズに偏る可能性がある。本論文では、相互学習における二重ネットワークに統合可能な軽量モジュール「Attentive WaveBlock(AWB)」を提案する。このモジュールは、ネットワーク間の相補性を強化し、擬似ラベル内のノイズをさらに抑制することを目的としている。具体的には、まずパラメータを必要としないWaveBlockモジュールを導入し、二つのネットワークが学習する特徴量に対して、特徴マップのブロックを異なる方法で「波打たせ」ることで、特徴量の差異を生み出す。その後、アテンション機構を活用して、この差異を拡大し、より相補的な特徴量を発見する。さらに、アテンションを適用するタイミングに応じた2種類の組み合わせ戦略(事前アテンションと事後アテンション)を検討した。実験の結果、提案手法は複数のUDA人物再識別タスクにおいて、顕著な性能向上を達成し、最先端の性能を実現した。また、本手法が車両再識別および画像分類タスクにも適用可能であることを示し、その汎用性を証明した。本研究のコードおよびモデルは、https://github.com/WangWenhao0716/Attentive-WaveBlock にて公開されている。